歌舞伎舞踊の「京(きょう)鹿子(がのこ)娘道成寺」。幕あきに騒々しく登場する寺僧が、隠し持っていた「般若湯(はんにゃとう)という妙薬」を、股ぐらから取り出す場面がある。
歌舞伎舞蹈《京鹿子娘道成寺》中有这么一幕。开场时喧嚣登场的寺僧,从胯下取出了私藏的“被称为般若汤的灵丹妙药”。
般若湯とは漢方薬、ではない。僧の仲間うちの隠語で、酒のことだ。仏教の五戒の一つに、飲酒をいましめる「不(ふ)飲酒戒(おんじゅかい)」がある。これを破る飲んべえな僧たちが、「体の薬に少し飲むだけだから」と、言い訳がましく呼んだのが始まりらしい。
所谓般若汤并非中药。这是僧侣之间的暗语,意指酒。佛教五戒中有一戒,禁止饮酒,即“不饮酒戒”。而喜爱喝酒而破戒的僧侣们,开始似乎是辩解般的吆喝着“作为对身体有益的良药只是稍微喝一点而已”。
中国の温家宝首相の国会演説を聞き、「威ありて猛(たけ)からず」を思った。孔子の弟子が師を表した言葉で、「威厳はあるが威圧感はない」。激しい言葉はなかったが、ゆるぎなく語りかけた印象が残った。
听了中国温家宝总理的国会演说后,笔者不由地想起“威而不猛”一词。这是孔子的弟子用来描述老师的话,即“威严却不盛气凌人”。虽然温总理的演讲中没有激烈的言辞,但给人留下他在坚定地传达理念的印象。
名の通り、温厚な実務派として知られる。中国国内では、気さくな人柄がメディアによって広まり、「平民総理」の愛称がある。共産党内の序列は3番ながら、トップの胡錦濤主席をしのぐ人気があるそうだ。
总理人如其名,以温厚的实务派著称。在中国国内,其坦率的人品被媒体广为称道,素有“平民总理”的爱称。虽然是身为共产党内部的第三号人物,其人气却似乎超过了最高领导人胡锦涛主席。
日に日に春がたけていく。この季節の「宵の刻」には、そこはかとない風情がある。
日复一日,春意渐浓。这个季节的“傍晚时分”有着别样的风情。
「春宵一刻値千金(しゅんしょういっこく・あたいせんきん)」で始まる漢詩が思い浮かぶ。宋の詩人、蘇軾(そしょく)の絶句「春夜(しゅんや)」である。「花有清香月有陰……」(花に清香あり、月に陰あり……)と続く、甘美な詩句を愛唱している人も多いだろう。
笔者不由得想起一首以“春宵一刻值千金”为开头的中国古诗。那是宋朝诗人苏轼的绝句《春宵》。接着是“花有清香月有阴……”想来会有很多人喜欢吟诵这样优美的诗句吧。
「宵のうち」という表現が、気象庁の予報用語から消えることになり、惜しむ声が相次いでいる。午後の6時から9時をさすが、もっと遅い時間だと誤解する人がいるからという。新しい表現は「夜のはじめごろ」になる。機能的だけれど、いまひとつ趣を欠く。
“宵のうち(傍晚时分)”这种表达方式,将从气象厅的天气预报用语中去除,惋惜之声此起彼落。其原指午后6点到9点,但似乎也有人将其误解为表示更晚的时间。新的表达方式是“夜のはじめごろ(夜晚开始之时)”。虽然表意明确,但却少了些韵味。
こんなニュースを読むと、生命を「いのち」と平仮名で書いてみたくなる。体重わずか265グラムで生まれた女の赤ちゃんが、無事に育って東京の慶応大病院を退院した。日本ではこれまでで最も小さく、世界でも2番目という。
读了这样一则新闻后,笔者想将“生命”这个词用平假名“いのち”来书写。出生时体重仅仅265克的女婴,现已健康地成长,并自东京庆应大医院出院了。据说该女婴是日本迄今为止出生时体重最轻的婴儿,在世界上是位列第二。
予定より15週早く生まれた。体の機能が未熟だったため人工呼吸器をつけ、へその緒の血管から栄養の点滴を受けた。いまは自分でミルクを飲めるようになり、体重も3000グラムに増えた。
女婴比预产期早了15周出生。由于身体机能未发育完全而依靠人工呼吸器来呼吸,靠着由肚脐处输入的点滴来吸收营养。而现在她已能自己喝牛奶了,而且体重也增至3000克。