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2024/04/26 (Fri)
 温雅な句風で知られた後藤夜半(やはん)に〈跼(かが)み見るもののありつつ暖し〉がある。春先、地面に多彩な命がうごめき出す。土を割って出た草花や、這(は)い出してきた虫を、作者は身をかがめ、いつくしむように見つめている。

 以温雅的句风而著名的后藤夜半写过这样的俳句“弯腰观看,暖风阵阵袭来”。早春时节,地面上各种各样的生命开始蠢动起来。作者俯下身子,怜爱地注视着破土而出的花草和土壤中爬出的小虫。

 暖冬を引き継いだこの春、命の蠢動(しゅんどう)はいつになく気ぜわしい。春の虫の代表格モンシロチョウの初見が、松山市では平年より28日も早かったそうだ。初めて見かけるチョウを「初(はつ)蝶(ちょう)」といい、俳句の季語にもなっている。〈初蝶やいのち溢(あふ)れて落ちつかず 春一〉。

 继暖冬之后的春天,生命的萌动与平时不同显得纷乱起来。据说,在松山市今年首次见到春天的代表性昆虫粉蝶的日子比起往年早了28日。每年最早被发现的蝴蝶称为“初蝶”,后来这也成为了俳句中表示季节的词。(初春充满生命的活力,激动之情无法平静。 春一)

 冬が暖かかった今年、虫たちはさぞ生命力旺盛と思いきや、そうでもないことを動物学者、日高敏隆さんの随筆に教えられた。日高さんによれば、多くの虫にとって冬の寒さは必要不可欠なのだという。

 今年的冬天如此暖和,笔者就想着昆虫们的生命力想必是很旺盛的。但动物学家日高敏隆先生在随笔中指出道事实并非如此。在日高先生看来,对多数的昆虫来说,经历冬天的寒冷是必不可少的事。

 休眠する虫たちは、5度以下の低温にさらされることで、春を迎えるための変化が体内で進む。チョウの場合、寒い時期を十分に過ごせなかったサナギは、卵もあまり産めない、ひ弱な成虫になってしまうそうだ(『春の数えかた』新潮文庫)。

 冬眠中的昆虫,由于身处5度以下的低温状态,会在体内进行各种变化以迎接春天的来临。例如蝴蝶,据说蝶蛹若没有充分经历过寒冷时期,最终会变成几乎无法产卵,体质孱弱的成虫。(《春天的列举方法》新潮文库)

 暖冬が続けば、多くの虫は滅びてしまうかも知れない。休眠せずに、寒さにじっと耐えているゴキブリのたぐいばかりが生き残る、と日高さんは案じている。冬は寒く、夏は暑く。季節がきちんと尽くされることが自然界には大切なのだ。

 暖冬若是持续下去的话,也许会造成多数的昆虫就此灭绝。最后只有不用冬眠而且耐寒能力强的蟑螂类等昆虫能幸存下来,日高先生为此忧心不已。冬冷夏热,季节能好好地维持这样的规律对自然界来说是极为重要的。

 啓蟄(けいちつ)もすぎた日、夜半(やはん)をまねて、春の土に目を留めてみるのも興がある。〈地虫出てはや弱腰と強腰と 祐里〉。押し出しのいいやつ、恐縮しているやつ、黙々たるやつ……。うごめく中に、誰かに似た虫がいるかもしれない。 

 过了惊蛰(节气)后的某日,效仿夜半先生,很有兴致地试着将目光停留在春日的地面上。(昆虫破土而出,怯弱的,顽强的 祐里)。有拨开土壤爬出来的强壮昆虫,也有惶恐畏缩着的,默然不动的…… 在这萌动的生命中,也许存在着某些和人相似的昆虫。

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